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「森の中の工場」

造成のコンセプト:近自然工法

自然環境保全と相反する行動のように思われる「事業所の建設」を通じ、豊かな自然を取り戻せるよう、工場とその周辺緑地の整備が計画されました。
造成には「大気・水・土壌の基盤だけをつくり、あとは自然の力に任せて再生させる」という近自然工法を採用。その理念のもと、水際や林縁部での生物の生息環境の再生、分断された緑地を結ぶ緑のネットワーク、日本の気候風土にあわせた伝統的な工法技術の採用など、もともとあった自然が再び息を吹き返し、自分の力で再生していく自然を目指しました。

開発前(撮影1988)

造成前:放棄された森林・畑地、養鶏場跡地などでした。

緑の骨格

計画:生態系にとって重要な沢沿いを「緑の骨格」とし、生き物の移動を妨げないように緑の骨格間をつないだ「緑のネットワーク」を造成することにしました。
造成前:森林の様子
造成前:森林の様子
造成後:ビオトープ 水深の深い箇所と浅い箇所、小さな島などを造成し、多様な生き物が生息できるビオトープを目指しました。
造成後:ビオトープから流れ出た下流の石組水路とボックスカルバート。

造成から20年(2022)

現在、基盤を整備された国内最大規模のビオトープ調整池は、冬にはカモなどの水鳥が飛来し、夏にはゲンジボタルの乱舞する水辺となりました。

また、土佐積み(日本の気候風土にあわせた伝統的な石積み技術)によって整備された散策路や法面は、木々や草本の生える緑豊かな場所になっています。

4つの宅盤の境界は、植林されたゆるやかな法面に

造成時
現在
曲線化を重視。自然の地形の再現/生き物の生息域と連続性の確保/郷土種のみを心がけた植林

防災用の調整池をビオトープ化

造成時
現在
池、湿地、草地、森へのエコトーンを構成/敷地外へ流出する水質の最終管理

ダム脇や急峻な斜面は、日本の石積み工法を採用

造成時
現在
土佐の崩れ積み(400年の歴史的技術)/多孔質な空間が生物の生息域創出

堰堤の壁面緑化

造成時(2002年)
現在

渓流化された西ビオトープの排水路

造成時(2002年)
現在
(造成時)北側から撮影、(現在)南側から撮影

造成直後~現在までの経年変化

2002(造成直後)

2004

2006

2008

2013

2017

2021(造成から19年)

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